第1章 変わらないもの、変わっていくもの
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翔くんは、長男だ
言ったら、僕も長男だけど
一応、上に姉が居て
しかも何故か、結婚後うちの実家で暮らしている
だから僕は、30過ぎて独り身でいても、親やら親戚からあまりうるさい事は言われなかったけど
でも
翔くんのとこは、下に結構年の離れた妹と弟って言う家族構成だったから
親だとか親戚から、まだ結婚しないのかとか、早く孫の顔を見たいだとかって小うるさく言われていた
しかも、悪いことに
翔くんちは案外家系を重んじる家で、下手な家の出の人では彼の嫁として認めてもらえないらしい
結果
結婚相手はお見合いで探すしかなく
けど
翔くんは、30過ぎてから幾度となく舞い込んで来た見合い話しを
「恋愛は自由だ!!」
と叫んでボイコットし続けていたのだ
「まあ、仕方無いんじゃないの?
翔くん、逃走の常習犯だから(苦笑)」
「ちぇ~……何だよ智くんまで」
翔くんは、僕が仕方無いって言うと、不満げに口を尖らせた
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