第6章 ホテル
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「結構な高級ホテルじゃん
俺、金持ってねぇぞ。」
到着したホテルは、そう言うものに無頓着な僕でも名前を知っている様な高級ホテルだった
けど
家から急に引っ張って来られた僕は、着の身着のままだったから
当然、持ち合わせなんか一円も無かった
「何言ってんのよ、智くんに金なんか出させないよ
俺金持って来たし
て言うかカードで払うし」
「そりゃね、翔くんは昨夜から夜逃げの準備してたんだから準備万端だろうけどさ」
「夜逃げ言うなよぉ~、浪漫飛行って言って」
「何が浪漫飛行だよ、パニクって家おん出て来たクセに」
「何だよ~、パニクる俺が好きって言ってくれたじゃ~ん」
「言ってねぇよ
…まあ、好きだけどさ(笑)」
「あぁ~……早く部屋行こ、部屋。」
「ガッつくなっつうに」
何時も通りの下らない会話を交わしながら
僕の顔に浮かんだ笑顔は
緊張で、不自然に少し歪んでいた
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