第6章 ホテル
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それから僕らは、食事を済ませて再び駅に向かった
何処に行くかは決めて居なかったものの
ラブホテルじゃあんまりなので、もうちょっとマトモなホテルへ行こうって話しになり
それなら適当なホテルに心当たりがあると翔くんが言うので
僕らはそのホテルへ向かうべく、電車に乗った
「どーせ、前に付き合ってた女と行った事があるホテルだろ」
電車に揺られながら、僕がちょっと拗ねた素振りを見せると
君が、だらしなく頬を緩めて笑った
「違うよ、女連れで行ったことなんかないよ
ただね、何となく漠然とさ
この人だけは特別なんだ、って人が出来たら連れて行きたいなぁって思ってたホテルなんだ」
「…ふぅん///」
やばい
また泣きそう
「…俺、智くんの涙腺が弱いとこも、好きだよ」
君が、不貞腐れた顔で涙が出そうになるのを誤魔化す僕を見て
ふにゃっと眉を下げて、でれっと笑う
「…俺は、翔くんのその情けないデレ顔も好きだよ」
「…デレとりますか、俺の顔」
「ええ、この上もなく」
「あら、いやだ。」
「だから、何で一々オネエキャラ。(笑)」
そんなことを言い合っている内に
電車が、目的の駅に到着した
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