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君と、僕と。

第5章 お見合い


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「…そりゃ…そんなの…」




見たくないけど。




「…………」




言いたい台詞を飲み込み、黙り込む僕


そんな僕に、母はさっきまでとは打って変わって優しい口調で言った




「お母さんはね、あなたに後悔して欲しくないのよ

…お母さんは、あなたの所為でお隣さんに文句を言われる位の覚悟は出来てるんだから

自分が後悔しない道をちゃんと選びなさい」


「………」




母の優しい眼差しと、その言葉に


ああ、母さんは僕の気持ちに気付いていたんだなぁと思った




「それとね、あなたそろそろ家を出たらどう?

お姉ちゃん一家が一緒なんだから、あなたが実家に居る必要なんか何もないのよ?」


「………」




まさか、そっちが目的なのか


とか


ちょっと思わなくも無かったけど

僕はそんな母に向かって言った




「大丈夫だよ、母さん

俺はちゃんと翔くんに気持ちを伝えたし、翔くんの気持ちも聞いた


だから、翔くんはお見合いしても結婚しないし

俺は…すぐにここを出ていくよ」


「あら、そうなの?」




母さんはそう言ってちょっと目を見開くと


のんびりとお茶を啜った




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