第4章 ファーストキス
.
「……キスするとさ、嫌でも相手の顔が見えちゃうだろ?」
僕は君の背中に回したら腕を解いて
項垂れる君の手を、ギュッと握った
「…後ろから突っ込まれる分には、誰とヤってようが同じだけどさ
キスは…ハッキリ顔が見えるから、嫌だったんだ…翔くんとじゃなきゃ」
「…それで、唇はヴァージンだったの?」
「うん、だから俺、自分は一生誰ともキスしないもんだと思ってた(笑)」
「俺と、一生キス出来ないだろうって思ってたから?」
「うん
でももう……なんかもう、これからはキスばっかしてそうで怖いけど(笑)」
「その先はぁ~?」
「翔くんがちゃんと見合いを断ったらな(笑)」
「あぁ~…智くんのイケズぅ(笑)」
「あはははは(笑)」
なんだか甘い雰囲気になりそうでならない僕らは
すっかり暗くなった川沿いの道を、肩を並べて歩き出した
「あ~、手ぇ繋ぎたい」
「まだダメぇ」
「何でだよ智くぅん」
「全部、翔くんがちゃんと見合いを断ってからな」
「なんだよぅ、チューはしたくせにぃ」
「チューはいいの。」
「何でだよ~」
「俺がしたいから。」
「何でだよ~(笑)」
そうして僕らは、何時もと同じようにして帰路に就いた
何時もとは、ちょっと違うことを話ながら…
.