第1章 変わらないもの、変わっていくもの
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翔くんと僕は、幼なじみだった
家が隣同士で、歳が1つ違いだった僕らは
小さい頃から、何時も二人で一緒に遊んでた
僕の方が1つ年上だったから
小さい頃翔くんは、何時も僕の真似をして、僕の後をくっついて歩いてた
その頃は
背も、僕のがうんと高くて
翔くんはチビだった
力も、僕のがずっと強くて
腕相撲で翔くんに負けたことは無かった
けど
それは昔の、小さい頃の話し
…今は…
「……翔くん、何時からそんなにマッチョになっちゃったんだっけ?」
僕は、翔くんと並んで歩きながら、その見事な上腕二頭筋をしげしげと見詰めた
「んん~?
あ~…高校の部活でサッカー始めてからじゃね?」
「背が伸び始めたのもその頃だっけ?」
「そうそう
んで、高1んときの夏休みで智くんの背ぇ超えた(笑)」
「はぁ…よく覚えてんな、んなこと。」
「そりゃ覚えてますよ~(笑)」
翔くんはケタケタと笑うと、僕の肩に肩を並べて得意気な顔をした
「今じゃ、デコ一個分俺のがでかいもんね~(笑)」
「んだよ、デコ一個分て。
て言うかさ、背は翔くんのが確実に高いのに、肩の位置一緒じゃね?(笑)」
「そうなのよ~、だって撫でってるからぁ~って、コラ!(笑)」
「ははははは(笑)」
冗談を言い合い、縺れ合うようにしながら、僕らは夕暮れ始めた川沿いの道を歩いた
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