第1章 変わらないもの、変わっていくもの
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青い空
白い雲
降り注ぐ太陽の光
流れる風
それは、常に色や形を変えていき
その時々で、違った表情や風情を見せるもの
「………まるで、君みたいだね」
芝生に寝転んだ
君が言う
「……そうかなぁ」
同じように、君の隣に寝転んで
僕が言う
「……そうさ」
「……そうかな」
僕が、同じ事を繰り返して言ったあと
僕らは、同じタイミングで顔を見合せた
「……ふふ……なに?」
「……んふふ……そっちこそ何だよ」
それは、何でもない午後の一時
何時もと同じ、何でもない休日
「……あ~あ、腹へったなぁ……帰ろっか、智くん」
「……帰るのは良いけどさぁ……翔くんはいっつも、“腹へった”ばっか言うよな(笑)」
何時もと変わらない
僕と君の会話
「だってしょうがないじゃん、生きてんだからさ(笑)」
「なんだよ?じゃああんまり腹が減らん俺は死んでるってのか?(笑)」
「そう!お前はもう死んでいる!!(笑)」
「あほか(笑)」
空が、夕暮れて色を変えていく
雲が、風に流されて消えていく
そうやって、みんな変わってく
少しずつ
少しずつ
みんな、変わっていくんだよね…
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