第3章 僕の秘密
.
「……可愛い言うなや、俺男だぞ///」
「男だろうが何だろうが、可愛いもんは可愛いもん。
智くんは、昔からず~っと可愛いかったよ
ジジ臭いくせに(笑)」
「んだよ、それ」
冗談を言いながら
君の手が、僕の頬を包む
「誉めてんのよー、ギャップ萌えってやつ?(笑)
それに加えて近頃めっきり色っぽくなっちゃって…
…まあ、その色っぽくなっちゃった理由には納得が行きませんけども。」
そう言って、君がちょっと渋い顔をする
僕は、そんな君に
僕の、取って置きの秘密を教えてやった
「……翔くん、俺…まだ言ってない秘密があんだけど」
「え?マジ?なに?」
「…確かに、ロストヴァージンはしちゃったけど俺…
…何故か、ファーストキスだけは死守したんだ」
「……え?」
「だからね、ここ…」
言いながら
自らの唇を、指でなぞる
「……ここはね、まだヴァージン」
「…………」
暗がりの中
僕の唇を凝視した君の喉が
また、ごくりと音を立てた
.