第3章 僕の秘密
.
「………切ないよ、色々総合的に」
「何だよ総合的にて。」
抱き合ったまま
何時も通りに会話する僕ら
「だってさ、色々切な過ぎんでしょ
俺が自分の気持ちに気付くキッカケがさ、智くんのロストヴァージンなんてさ
悲しすぎんでしょ…悲しすぎて切ないわ、色々」
「そんな色々言ってねぇけど?」
そんな、君と僕と
「うっさいわね、色々で良いのよ、その方がショックの大きさが伝わんでしょうよ」
「何で急にオネエが入るんだよ(笑)」
「あらやだ、アタシ、オネエっぽかったかしら?」
「ははははは(笑)」
きっと
思っていることは同じ
「笑うなよ~(笑)
って、ところでさ、智くん」
「ん?何?」
「俺らってさ………両想いって事で、良いんだよね?」
暗闇の中
月明かりに照らされた君の顔が
急に真顔になって、僕を見詰める
「……いいんでない?」
「マジ?
じゃあ、チューとかしちゃおっかな?」
「……………いいんで、なぃ///」
なんだか、急に照れ臭くなって俯いた僕を見て
君が
「智くん、可愛い」
って、呟いた
.