第2章 君の秘密
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「…………」
僕の問いかけに
君は、ただ黙って何も答えなかった
また、俯いてしまった僕の頭に
君の、視線を感じる
「…結婚、したい相手…親が認めてくれそうに無い人なんじゃないの?
だから、見合いから逃げてんだろ…翔くん」
「………」
君の視線が、君の沈黙が
痛い
「…そうなんだろ?
何とか、言えよ…」
涙が
止まらない
「……まあ、認めては貰えないだろな
て言うか、親どころか…誰にだって認めてもらえねぇだろな
その人本人にも。」
「…………え?」
翔くんが、何を言いたいのか解らなくて
涙に濡れた顔を、再び上げると
月明かりに照らされた君の瞳が
熱っぽく自分を見詰めていた事に気付いた
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