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ヴォード家に嫁ぎました!【ブラッククローバー / R18】

第6章 決意





お手洗いは店内の端にドアがあり洗面台がある。その奥に男女に分かれた2つのドアがある。店内からは見えないようになっていた。


ランギルスさんのことばかり気にして、こんなに胸が痛くなるなんて。フィンラルさんと食事に来ているのにずっと上の空だ。どうしてこんな気持ちになるんだろう…


お手洗いを済ませたあと、フィンラルさんに気を遣わせたくないと思い洗面台の前で気持ちを落ち着かせていると、ドアが開く音がした。フィンラルさんが心配して来たのかもしれないと思い、ドアの方に目を向けると、ランギルスさんと目が合った。


「あ…ランギルスさんもい、いらしてたんですね…」


わたしはランギルスさんのことを考えていたことが気まずくて、すぐに目を逸らして少し口角を上げ誤魔化した。


するとランギルスさんが少し呆れた顔でこちらに向かってくる。わたしは後ずさりし壁に背中をつけると、ランギルスさんが壁に手をつけわたしの顔を覗き込んだ。わたしは顔が近くて恥ずかしくなり、目をぎゅっと瞑った。胸が高鳴る鼓動の音がうるさくてわたしの耳に響いてくる。瞑った目のせいで視界が真っ暗だ。


「あんなに僕のことを見てたくせに、気づいてなかったとでも?僕は視線を感じてミライさんに気づいたくらいですから」


「……すみません」


わたしは目をあけると、ランギルスさんの青く透き通る瞳と目が合う。わたしは恥ずかしくて顔が熱くなる。ランギルスさんの顔がだんだんと近づいてきて、胸が高鳴る。キスされるんだ…と思って目を瞑った。


「まつ毛にゴミがついてます」


そう言われて目を開けると、ランギルスさんはわたしから少し離れていた。わたしは期待してた自分が恥ずかしくてランギルスさんの顔を見れなかった。久しぶりにランギルスさんの匂いも体温も近くで感じて、身体も疼いてしまっていたからだ。


「あ…ありがとうございます…」


「じゃあ僕は団員が待ってるので戻りますよ?ミライさんは兄さんと食事に来てるなら、僕のことは気にせず早く戻って楽しんでください」


そう言ってわたしに背を向け、ドアに手をかけた。


食事に来てる団員とはどんな関係なの?秘密の関係を続けているのは都合がいいから?聞きたいことがたくさんある。


行かないで──…



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