第2章 まずは仲良く
王宮の一室でマクスとルカは向き合っていた。
「様はおかしな人だね。異世界の女性はみんなああなのかな・・・?」
「そうだな。でも俺は気に入った。兄さんは?」
「僕もだよ。女性なのに、とても優しそうで、その・・・」
この男女比100対1の世界の女性は、生まれたその時から高待遇が約束されているため、傲慢で我儘なものばかりであった。そのため、のような女性を王子たちは見たことがなかったのだ。
「好きになった?」
「っ!」
ルカが揶揄うようにいうとマクスは顔を赤くした。
「そ、そうかもしれない・・・。これが、恋なのだろうか・・・・。こんなの、おとぎ話の中にしかない感情だと思っていた・・・・・」
この世界では、恋愛なんて片思いでさえもそう簡単にできることではなかった。女性が少なく、かつその女性たちは性格に難がある。
「俺も兄さんと同じ気持ちだ・・・・・。様は恋愛がしたいって言ってたけど、俺らが好きになるだけじゃダメなんだよな・・・・?」
「様の世界では、性交は絆の深いもの同士が行うことだとおっしゃっていたね。どうすれば良いのだろう・・・。女性と仲良くだなんて・・・。今までずっと女性から目をつけられないように逃げていたものだから・・・・・・」
王子の身分とはいえ、貴族の女性に言い寄られてしまったら断ることができないため、ひたすたその身を隠して生きてきた。そのため自分から女性にアプローチなど、マクスもルカも経験がなかった。
「俺たちの知ってる女とも違うだろうし・・・。とりあえず、交流の機会を設けてみるか?絆を深めるのには、時間を共有するべきだと思う。」
「確かに。ルカの言う通りだね。じゃあリルに様とお茶をしたいと伝えておくよ。」
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「王子様たちとお茶会?」
「はい。聖女様のご都合のよろしい時にとおっしゃっていました。美味しいお茶とお菓子をご用意してくださるようです。」
「わあ!食べてみたい!」
ここで既に何度か食事をしたが、かなり美味しい。王家の食事だからなのだろうか、それとも異世界ご飯の水準が高いのだろうか。
そしてしばらくして、私はリルに可愛い服を用意してもらい、王子様たちの待つお茶会へと向かったのだった。