第2章 まずは仲良く
朗報です。異世界スイーツが美味しすぎます。
「これ、美味しいです!」
「様の口にあったようで嬉しいです。王都でも人気の菓子店から取り寄せたんですよ。」
「様、口に・・・」
ルカ王子の手がこちらに伸びてきて、唇の端についていたクッキーのかけらを手に取った。うわ、私、子供か。
「可愛い。」
そう一言言ってルカ王子はその手に摘んだかけらを自身の口に入れたのだった。こんな少女漫画みたいな小っ恥ずかしいことも、生のイケメンがやると凄まじい破壊力だ・・・・・。
「あ、あの、様、その・・・」
「?」
今度はマクス王子がなんだか恥ずかしそうに口を開いた。どうしたのだろう。
「えーと、ど、どうやったら僕たちのことを好きになって頂けますか・・・?」
「へ?」
王子様たちをどうしたら好きになるか?まあそんだけイケメンなんだから、普通にアピールしてくれたら私みたいなのはコロッといっちゃうけど・・・・。それよりも、そんな質問をするってことはもしかして・・・?
「まさかとは思うんですけど、私のこと好きなんですか?・・・いや、流石にないか。」
「「好きです」」
「・・・・・」
まさかの兄弟同時告白。ちょっと、私の頭は混乱しているぞ。
「あの、昨日初めて会ったばかりですし、えー、聖女だからって無理にそんな冗談を言ってもてなす必要も別にないですから・・・」
「もてなしだとかではございません!ほ、本当に好きになってしまったのです。・・・おかしいでしょうか?」
マクス王子が子犬みたい・・・。この王子様、正統派イケメンだけではなく可愛さ属性まで・・・!?
「おかしくはないよ、兄さん。俺も同じ気持ちだし。様は知らないかもしれないけれど、こちらの女性はあなたとは全く違うんだ。」
「え?」
そりゃそうだよ。100人の男とヤリまくる女の人とは決定的に何かは違うよ。そう思ったけど、どうやらそのことではないらしい。
「世界樹が女性の喜びを養分とするのは皆が知るところだから、女性は生まれた時から皆に傅かれることを当たり前とするんだ。だから、様のように、優しくて穏やかな女性は見たことがなくて、俺も、兄さんも一目で気に入ってしまったんだ。」
「優しくて穏やか?」
・・・まあまあ生きていますが、初めて言われました。