第1章 トリップした先は・・・
朝食の後、私は王様とマクス、ルカと共に王族しか入れない庭園の中にある世界樹の元へと連れてこられた。
「これが?」
私がそう言ったのもしょうがないだろう。世界樹はほっそりしていて、2メートルほどの高さしかなく、葉は一枚もつけていない。今にも枯れて朽ちてしまいそうだ。
「かつてはこの城の屋根よりも高く、青々と葉が茂っていたと聞きます。しかし、現在は・・・・」
木って縮むのか・・・・・。いや、彼らにとっては死活問題なのだ。真剣に聞こう。
「どうしてこんなことに?」
「女性が減ったからです。世界樹は世界中の女性のよろこびを養分とするのです。」
マクスが丁寧に説明をしてくれるが、女性の喜び?いや、まさかと思うが・・・・・
「とりわけ性的な快楽が最も強いエネルギーになると聞きます。」
「・・・・ん?」
「しかし、女性が減ってしまい、世界樹の養分が枯渇しているのです。このままでは世界樹の守りがなくなり、魔界の門が開いてしまうのです。そうすると、恐ろしく強大な力を持った魔族が押し寄せてくるでしょう・・・・。そこで、我々は伝承の聖女に縋ったのです。」
「・・・・・あー・・・なるほど・・・」
とりあえずこの世界では、世界樹が大事で、そしてそれが朽ちようとしている一大事なのだとはわかった。
しかし、この流れはまさか、聖女の役目とは・・・・
「ですから聖女様にはできるだけ気持ち良くなって頂きたいのです。」
真剣な顔でイケメンがぶっ飛んだことを言っております。
「異世界の聖女はこの世界の女性よりも強く快感を得られ、世界樹にたくさんの養分を与えてくださると聞きます。」
・・・・それは異世界の女が淫乱ってことですか・・・・?
「どうしても様のお力を借りたいのです。お願い、できますか?」
「・・・あの、えー・・・つまり具体的に私は何をすれば・・・・?」
「体を触らせていただければ良いのです。昨夜はリルにそれを許したと聞いています。嫌ではないのですよね?ただ、気持ち良くなって頂くだけですから・・・。」
「・・・・・・・」
リルくん、ちゃんと報告したんだね。・・・うん。とりあえず捕まることはなさそうでよかった。
「そしてできれば、たくさんお子を作って頂きたいです。」
「・・・・まあ、そうなりますよねー・・・・」