第1章 トリップした先は・・・
目を覚ました私が見たのは、眠る前にも見たベッドの天蓋だった。ここでようやく私は、これが夢ではなく現実なんじゃないかと疑い始める。
「痛い」
ベタに頬をつねるとしっかり痛みがあった。それに考えてもみたら、リルの気持ちよすぎるマッサージの攻め方は私が妄想もしたことないようなものである。夢だとしたらちょっとおかしい。
「聖女様、お目覚めになられましたか。」
リルが部屋に入ってきた。いや、待て。もしこれが現実だとすると、私はこんな美少年にあんな不埒なことをさせたということだ。背徳感とか言っている場合じゃない。有罪だ・・・・。
「ちょ、ちょっと色々頭の整理を・・・・・」
「でしたらちょうど良いかもしれませんね。国王陛下と王子様方が朝食を共にしたいとおっしゃられています」
「・・・・・・なるほど?」
どういうわけか、リルは全く普通の態度だった。もしかして、手慣れているんだろうか。美少年だし、案外遊んでいるのかも?なんて考えてながら身支度をして王様たちの元へ向かう。そういえば下着が昨夜のものと違うけれど、リルが変えたのだろうか・・・・・。いや、あまり考えないようにしよう。
朝食を食べるべく広間に連れてこられると、そこにはすでに王様と王子様たち(だと思う)が席についていた。礼儀とかは知らないけれど、大丈夫だろうか?よくわからないけど聖女って多分えらい感じなんだよね?
「おお!殿!よくいらした。さ、王子たちのところにかけてくだされ。」
王様自らものすごい丁寧な態度をとってくれている。やはり聖女は偉いようだ。
それよりも、示された席が二人の王子様の間だ。両手に花的なおもてなしですか?というか王子様たち、王子なだけあってすごいイケメンだな。
「昨日はご挨拶できずにすみません。第一皇子のマクスです。」
マクスは金髪碧眼で物腰柔らかな座・王子。
「第二皇子のルカです。よろしく、聖女様?」
ルカは短めの金髪にマクスや王様同様碧眼だ。少しやんちゃそうな感じ。
「えー、です。なんだか色々とまだわからないのですがよろしくお願いします?」
「ああ。そうだるね。朝食を食べたら、ゆっくりと説明しようじゃないか。」
王様がそういうと、美味しそうな食事が次々と運ばれてきた。
ああ、自炊しなくていいの、すごい幸せ・・・・!!!