第1章 トリップした先は・・・
「うー、そこ!すごい気持ちいい!」
「凝ってますね。何をされていたんですか?」
「仕事をねー、最近休みがなかったからさ〜」
驚いたことにとんでもなくリルはマッサージが上手だ。それに子供相手だからか、私は気安く色々とおしゃべりできるし、何よりも美少年だから、なんだかいい気分だ。きっともてるんだろうな。
「聖女様の世界では女性も仕事をするんですか?」
「え?こっちではしないの?」
「はい。数少ない貴重な女性に働かせたりなんて、とても・・・」
「女性が少ないの?男女比はどれくらい?」
そういう世界観だったのか。男女比10:1でたくさん夫を持てる、みたいな世界観なのかな。
「100対1です。近年はさらに減ってきています。」
「ひゃく!?」
アンビリーバボー。
私、なんて夢を見てるんだ。100人も男が欲しかったのか。そんなに飢えていたんだろうか私は。いや、飢えてはいたな。
「聖女様の世界では女性がたくさんいたということですね。・・・それでは足もお揉みしますね。」
「え?いいの?じゃあ、お願いします。」
首肩周りを入念にしてもらったのに足も揉んでくれるのか。浮腫んでパンパンのはずだからすごく嬉しい。
「あ〜最高」
マッサージのうまい彼氏とか欲しいな。なんて考えながらリルの最高のマッサージを享受していると、その手がふくらはぎから太ももへ、そして足の付け根近くまで伸びてきた。
「あ、リル、そんな上の方までやらなくていいよ。」
「え?」
リルが不思議そうにしていた。これがいい大人だったら下心があるか疑うが、彼は純粋に気持ち良くなって欲しくてマッサージをしていたのだ。そう思うと、私の方が邪なんじゃないかと気づいて、リルを制止しにくい気持ちになった。
「お嫌でしたか?もしや痛みが?」
「あ、いや!なんでもない!気持ちいいよ!疲れてなかったら続けて!」
「よかった・・・。では続けますね。」
止められなかった。
というかまあ夢の中だし、たとえちょっとくらい少年にえっちなことをされても儲けもんだった。
そんなことを考えていたからか、リルの手がバスローブの中に入り込み、ショーツの端を掠めたのだった。