第2章 まずは仲良く
「私のこと好きって言ってたけど、王子様って婚約者とかがいるもんじゃないの?」
「おりませんよ。貴重な女性を王族だからと独占するような方々ではありませんから。」
ひとまずお茶会が終わり、私はリルに色々と尋ねてみる。だいたい貴族女性は一国一世代に一人くらいはいるからその女性が貴族の男たちを独り占めするらしいが、現在国内に妙齢の貴族女性はいないという。
「はあ、大変なんだね。世界樹のこともだけど人口はどうなってるの?」
「人口ですか?やや減少傾向にありますが、問題になっているほどでもありません。」
「そうなの?でも一人の女の人が生むのって・・・10人くらいじゃないの?」
男女比100対1ならば単純に計算して、一人101人以上産まないと人口が減少するわけだが、どんなに多くても10人くらいが限界のような気がする。
「多い方ですと200人以上お子様がおりますよ。」
「200!?ど、どうなってるの!?もしかしてこっちの人は200歳まで生きるの!?」
「?」
リルに私の知る妊娠から出産の流れを説明すると、彼はこちらの世界の子供が誕生するまでを教えてくれた。
「体の仕組みは聖女様と変わらないと思いますが、魔法があるので、母体で受精が確認され次第、受精卵を取り出して、魔植物に預けるんです。なので、毎月のように妊娠を繰り返すことができると言うわけです。」
「・・・な、なるほど。そういうのがあるんだね。」
じゃあこっちでは出産とかしなくていいんだ。体型とかももしかして変わらない・・・?魔法ってすごいんだな。
「そういえば魔法って見たことないけれど、見れたりする?」
「でしたら魔道騎士団の訓練を見学するのはいかがですか?彼らは国内屈指の魔法の使い手ですから。初日にお会いしたローティー様は筆頭魔道騎士なんですよ。」
「え?ローティーさん神官とかじゃなくて騎士なの?」
「はい。」
あんな穏やかそうな人が騎士なんだ・・・・。なんだか訓練だとかは想像がつかない。人って見かけによらないんだな。
「今日はもう遅いので明日にいたしましょう。今夜はマッサージをご希望されますか?」
「そ、それは遠慮しておきます。」
最初は夢だと思ったからこんな美少年にあんなことさせてしまったけど、もう現実じゃないかと認識してるので、ちょっと精神的にきつい。
・・・あと5年くらいしたらお願いしようかな。