第1章 ○○○しました。 ★
「えっ、えぇっ!!」
「やっと気づいたか。」
状況不明なんですけど、なんで先輩がここに?
「あの、先輩何してるんですか、ちょっとどいてもらっても...」
「ダメだ。」
だ、だめ?イタズラかな...
「ダメだ、なんて言われても...何で私の部屋で、しかもその、私のベットに乗ってて、さらにベットで寝ていた私の上に乗ってて、私を起こして...、顔近いです...。」
「なんでだろうな。」
目元は髪で見えないが、二っと口角を上げた。
...どうしたらいいのでしょうか。
「なんでだろうな。じゃなくって、本当にどいてもらえませんか?あと顔近いですよ。寝起きなのに...。」
息臭かったらどうしましょう。息がしにくいです。
「お前が今ココで...
俺のことが好きって言うまでどかない。」
何を言っているのでしょう。
先輩、大丈夫かしら...。
「なんのいたずらですか?先輩。好きって言ったらどいてくれるんですよね。」
「あぁ」
それだけなのね。さっさと終わらせましょ。
じゃないと仕事に遅れてしまう。
「好きです。」
「主語」
「先輩のことが、好きです。」
「気持ちこもってない。」
んん?なんかハードル変に高くないですか?
どうしたらいい...。
「っん」
ふにっとした感触。どこか暖かくて...やわらかい。
離れていく2626番を見て、キスをしてしまったことに、気づいた。
驚く間もなく、目の前が真っ暗で、何も見えなくなった。
これは......手?
「せん、ぱっん」
話そうとすれば、口を唇でふさがれて、さっきの感触が襲った。
なすすべがないと思った。
きっと何をしても、先輩は私を離さない。
「んっ、はっはぁ、苦っしぃっんん」
「もっと乱れろ。」
「えっ?」
先輩が手の奥で笑っているように思えた。妖艶に。
キスが角度を変えて深くなってきて、舌が絡んで自然と二人の唾液が頬から垂れた。
先輩の舌が歯の並びをなぞって、私の舌を追いかけて捕まえては絡んでくる。
なんか色っぽくていやらしくて、恥ずかしかった。
でも、なんだか気持ち良くて、だんだん頭がふわふわしてきた。