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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第1章 武将と五百年後ノープランツアー 前



果たして一体何の事か分からない三成が首を捻る中、深く突っ込んではまずいやつだと判断した凪が、強制的に最後の人物へ振り返った。

「え、えーっと!最後は明智光秀さん。…さっきも説明した通り、彼氏です」
「明智光秀だ。既に彼方殿には、ばすの中で看破されていたがな」
「自称明智光秀じゃなくて、マジな明智光秀だったんだ……ていうか、普通に考えてあの明智光秀が彼氏って色んな意味でヤバくない?」

凪が隣に座る光秀を改めて紹介する。タイムスリップの一件を説明する過程で、一度光秀とは付き合っている事を告げているが、念の為再度現代風に彼氏である事を些か気恥ずかしそうに言うと、光秀が胸前で組んでいた腕をゆるりと解いた。光秀に至っては一度バスの中である意味自己紹介を済ませていたが、当然彼方は本気で取り合っていなかった。それ故に改めてまじまじと親友の現彼氏である男を眺め、事の重大さをぽつりと零す。

「うん、まあ普通に考えたらそうだよね…」
「おやおや、彼方殿は俺が凪のかれしである事にご不満でも?」

普通あの明智光秀が彼氏だと紹介されれば驚くだろう。至極当たり前である彼方の反応を前に、同意するよう頷いた凪を余所に、光秀が緩く首を傾げて片眉を持ち上げた。真意を分かっていて問うているのか否か、おそらく前者であろう相手へ彼方が眉根を寄せる。

「別にご不満って訳じゃないけど、親友としては本当に大丈夫?って感じなんだよね。だってほら、明智光秀だし」
「やけに明智光秀を強調するな。まさか五百年後の世にも光秀の悪巧みが伝えられてるわけじゃないだろうな」
「………まあ、そうね。ある意味では」

現代人且つ歴史好きの彼方としては、当然例の大事件を大事件と認識しているわけであり、色んな意味で怪訝な眼差しを向けていると、その様子を不思議に思ったらしい秀吉が柳眉を顰めた。日頃光秀に数多のお小言を述べている身としては、例え五百年後の世であっても見過ごす事は出来ないと不審感を露わに問いかける。

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