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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後



そうして少しずつ前へ詰めて行く中、サーフボードの陰にやって来たタイミングで、人影を光秀の目が捉え、静かに気配を辿る。さすがに中央近辺までやって来た所為か、あちこちに気配を感じ取り、光秀が三成へ目配せをした。

「では、行くとしよう」

短く告げるや否や、光秀が音も無く身を露わにした。周囲で窺っていた参加者達がその姿を狙って幾つかの方向から光秀を撃つも、それらは軽々とすべて呆気なく躱されてしまう。その隙に凪と彼方が敵の背後に回り込み、木板の陰で光秀を狙う男二人に向かってトリガーを引いた。

「うわ!」
「くそ、後ろまで気ィ回らなかったー!」

【残り十五人ー!】

すぐに木板の陰に隠れるも、光秀に当たらないと諦めをつけた敵が、別方向に回り込んで凪達を狙う。その動きを視界の端に捉え、光秀が身を翻した。

【残り十四人ー!】

別の場所でも撃ち合いが行われているのだろう。確実に減って行く人数を耳にしつつ、凪の元まで向かった光秀が、彼女の腕を引いて自らの背後へ隠し、パラソルの陰からこちらを狙っていた男の眉間を撃ち抜いた。

【残り十三人ー!】

「彼方様、こちらへ」
「三成くん、大丈夫!?」
「ええ、大体のコツは掴めたと思いますので」

三成は光秀の合図で別方向へ回り込んでいたらしく、彼方を自らの方へ呼び寄せつつ庇い立つと、飛んできた水を避けて銃を構えた。そうして引き金を引けば、今度は的確に敵の左手を撃ち抜く。

【残り十人ー!】

「うわ、あと一人で九人じゃん!」
「ここから先は光秀様が自ら囮になられる筈です。私達は光秀様を狙い撃つ敵の位置を把握し、各個撃破と参りましょう」
「オッケ、とうとう本隊と衝突ね」

アナウンスを耳にし、彼方が周囲へ警戒を配る。ここから先は各自個別行動となり、光秀を狙う敵を更に狙う方向で攻めて行く。三成の的確な指示を受け、頷くと戦場の左半分側へ足を踏み入れた。一方、凪を庇って軽々敵を討ち取った光秀が背後を振り返り、片手で彼女の頭をひと撫でする。

【残り九人ー!】

「俺の言った事は覚えているな」
「はい、覚えてます。ちゃんと言われた通りにしますね」
「ああ、それでいい。なに、悪いようにはしないから安心しろ」

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