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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後



笑顔のままで彼方が振り返ると、三成が何処か神妙な面持ちを浮かべていた。土壇場で外した事を気にしているのか、心なしか落ち込んだ雰囲気を見て、元気付けるよう言葉をかける。もしかしなくても三成は不器用なのかな、と見当をつけ、片手をひらりと気さくに振ってみせると、彼もようやく笑顔を見せた。

【残り十八人ー!】

「わ、一気に減ったなー。誰か倒しまくってる猛者でもいるわけ」
「きっと光秀様です。では約束の人数を切りましたので、お二人と合流致しましょう」
「了解!」

アナウンスを耳にし、彼方が感心した様子で呟く。猛者といえば三成の中では答えは一人しかおらず、その人物の名を挙げて笑いかけた。そうして二人で頷き合い、彼方と三成は周囲を警戒しつつも、最初に分かれた後方の木板裏へ向かって歩き出したのだった。



程なくして彼方、三成のペアと合流した凪と光秀は、いよいよ残り十八人となった現状を確認し、様子を窺った。もっとも十八人と言っても自分達を含め九人は身内な訳で、他の参加者は残り九人という事になる。確認を取っている訳ではないが、光秀も三成も秀吉達が残っているとほぼ確信している。そもそも残っていないようでは、名だたる戦国武将の沽券に関わるというものだ。

「残り九人倒して、とうとう大将戦って訳かあ。向こうはどうなってるんだろうね?」
「あちらには越後の軍師、直江兼続殿がいらっしゃいます。どちらも接触していないところを見ると、こちらの策は読まれていると見て間違いないでしょう」
「むしろ、向こうも他を完全に撤退させた上で戦場を更地にし、事を構えるのを望んでいるだろうな。狙いは確実に俺だ」
「光秀さん、敵側から見たら危険ですもんね……」
「なに、そんな凄かったの明智さん」
「凄かった……敵じゃなくて本当良かった…」

終わりの見えて来た戦いに彼方が声を零すと、三成が些か真剣な面持ちで状況を整理した。互いの読みが筒抜け状態であるのも天才同士故なのか。光秀が肩をゆるりと竦め、さして重要でもなさそうに言ってのけると、凪がおもむろに頷く。

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