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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後



「この戦場において最たる強敵は当然、秀吉様や家康様がいらっしゃる組です。そして間違いなくあちらも同じように思っているでしょう。他の組の方々には個々で潰し合って頂き、こちらも可能であれば各個撃破していくとして、最終的には他に邪魔の入らない状態で、あちらの組と事を構えるのが良いかと思います」
「ああ、俺も同感だ。差し当たってまずは、この水鉄砲とやらの性能を確かめなければならないな」

(なんか凄い、戦っぽい…!)

彼方は何処かぽかんとした様子で三成を見ており、幾分驚いた様子で軽く瞠った目を瞬かせる。天使な一面しか見せていなかった天然キャラから、まさか敵同士を潰し合わせるなどという言葉が出て来ようとは、これもある種のギャップ萌えというやつなのか。ともかく、三成の大まかな策に頷いた光秀が、まるで本物の種子島を撫でるような手付きで、ライフルの銃身に長い指先を這わせた。それだけで色めいた所作に見えてしまうのだから、光秀の色気は半端ない。凪が感心している様を余所に、彼は板に背を添わせ、そこから手前を覗き見た。

【残り四十人ー!】

「あ、一気に三人減りましたねっ」
「戦場に残る兵の数をわざわざ伝えてくれるとは、便利なものだな」
「助かりますね、これで動くべき機を見計らう事が出来ます」
「この人達、めちゃくちゃ頭使ってサバゲーするじゃん。私完全に出たとこ勝負する気満々だったけど」
「ほら、二人とも基本的に戦だと後方に詰めてるから…」
「なるほど、切り込み隊長は別に居るってわけね」

放送でアウトとなった人数を引いて教えてくれるらしく、凪が小さく声を上げる。当然だが、本物の戦では何人倒れたかなど知る術もない。感心した様子で金色の眸を軽く瞠った光秀へ、三成も同意を示した。がつがつと前に攻めるタイプでない戦法の頭脳派武将を見て、彼方が驚きを隠しもせずに目を瞬かせる。凪が補足するよう付け加えると、納得した様子で小さく頷いた。

【残り三十八人ー!】

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