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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後



ふわふわした黒いレースがあって良かったと改めて思う。それこそ色々と本格的に露わであったなら、光秀とて看過出来なかったかもしれないのだから。

(こういった装束が当然の世であろうと、男の視線が向かう先などさして変わりはないだろうが)

合流する手前で、凪と彼方に声をかけて来ていた男達の姿が過ぎり、光秀は一度静かに視線を伏せた。荷物置き用の籠の中へ畳んだパーカーを入れると、凪が向き直る。

「もう大丈夫です。ありがとうございました」
「ああ」
「あ、光秀さんは黒なんですね」
「彼方殿に、俺は黒だと言われてな」

相槌を打った光秀からアサルトライフル型の水鉄砲を受け取った。既に水が満タンに入っているらしく、見た目よりも以外と重い。牛乳パック一本分弱程度の重量感である。両手で銃を抱える凪とは異なり、光秀は軽々と黒光りするアサルトライフル型水鉄砲を持っていた。銃身を肩へ乗せる形で持つ彼は、何やら妙に様になっている。

「なんかそうして持ってると、スナイパーみたいですね」
「すないぱー?」
「狙撃手、って意味です」
「当たらずしも遠からずといったところだな」

凪が何処か楽しげに声をかけると、光秀が首を軽く傾げる。スナイパーの意味が狙撃手であると耳にして、乱世での自分の戦い方を思い返しつつ、緩やかに肩を竦めた。

「この中に仕込まれている水が無くなった時点で、丸腰になるという事か」
「そうです。あ、彼方がさっき言ってましたけど、お互いにアウト……えーと討ち死にしてない時に限り、味方同士の銃の貸し借りは自由らしいですよ」
「ほう……?いずれにせよ、残量を考慮して撃たなければならないという訳だな」
「そんな感じです。チームはバラバラで始めてもいいらしいですけど、どうします?」
「では一度合流しておくとしよう」
「はい!」

水鉄砲やルールを軽く確認した後、先程彼方達が居ると言っていた場所まで向かう。開始前に参加者は予め身を隠す為の障害物の傍で身を潜め、合図と共にゲームスタートといった運びとなる。

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