❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国
第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後
彼が天使の如き眩しい笑顔で頷くと、必然的にもう一組は秀吉、家康、幸村、兼続、佐助となる。そんな訳で昼食後の休憩を終え、早速戦へ向かうべく、食後の腹ごなしも兼ねて戦国武将一行+α達はウォーターガンサバゲーの会場へ向かったのだった。
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ウォーターガンサバゲーのブースは男子更衣室の奥に設置されており、受付には参加者と見られる若者達の姿が多くあった。ちなみに一プレイワンコインで参加出来て、水鉄砲も貸し出ししてくれる良心的な施設である。腰までの高さで設置されたブルーシートの柵の内側が、すべてサバゲーの為のフィールドになっていて、湿った砂を山状に高く盛ったものや木の板、ビーチパラソルが横向きになったもの、太めの丸太が数本重なったものや、砂に突き刺さったサーフボードなど、身を隠す為のものが幾つも見られた。ちょうど一行が受付したタイミングで定員が締め切りだったらしく、十分後にゲームスタートだという旨が告げられ、凪が着ていたパーカーのジッパーを下ろす。
「凪、彼方殿が持って来てくれた。お前の銃だそうだ」
「あ、ありがとうございます。ちょっと持ってもらってていいですか?今これ脱いじゃうので」
彼方に渡されたという銃を手に、光秀が凪の元まで近付いて来る。ウォーターガンと聞いていた為、てっきり子供の玩具のようなものかと思っていたが、彼が差し出してくれたのは、爽やかな水色に塗装されたアサルトライフル型の水鉄砲であった。形はかなり本格的なサバゲー感である事に苦笑し、光秀にそれを持っていて貰うように頼むと、彼女が再び上着を脱いで白い肌を露わにする。海で遊んでいる間や、着替えを終えて合流した際にその姿を目にしているが、何度見ても目に毒である事に変わりはない。
(あまり無防備な姿のまま、動き回らせる事は避けたいところだが、愛らしい恋仲の顔を曇らせる訳にもいかないからな)
自分と来る初めての海だから、と口にした女の感情が汲めない程、光秀は鈍感ではない。愛らしい姿を堪能すると決めたものの、誘うような肌の露出は男心として色んな意味で心配であった。