• テキストサイズ

❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後



「こ、怖い事言わないでください光秀さん…!光秀さんに追われるの、心臓に悪いんですから!」
「飽きが来なくていいだろう?」
「そういう問題じゃないんですっ」

凪が安堵の息を零す傍らで、光秀が本気とも冗談ともつかぬ調子で口角を吊り上げる。意味深な流し目が送られ、彼女がびくりと肩を跳ねさせた。光秀にじわじわと追い詰められるなど、想像しただけでも恐ろしい。困ったような声を上げる凪へくつくつと低く笑いを零し、光秀がよしよしと頭を軽く撫でてやる。

「まあ基本は暴力厳禁、あくまでも水鉄砲で楽しく撃ち合うって事くらいだし、せっかくだから皆でやろう!大体、戦なんて武将の専売特許でしょ」
「私は刀を主に使っていますので…上手く銃が扱えるか分からないのですが、日頃の光秀様を見習って頑張ります」
「つーかこの場合、明智が一番有利なんじゃねーか?」
「では端から勝負はついていると諦めるという事か」
「……誰も諦めるとは言ってねー」

彼方がざっくりとまとめると、三成が笑顔で頷く。前向きな思考は大変良い事だが、銃と言えば明智光秀と敵軍にまで名が知れ渡っている為、軍配は光秀に上がる可能性が高い。それを零した幸村相手に薄く微笑し、あくまでも余裕な様を見せた男が挑発めいた言葉を投げかけた。残念ながらこの場に居るのは、群雄割拠の乱世生まれ乱世育ちの、負けん気が強い男達だ。自らの不利な状況だからといって、おめおめと逃げ腰になるような者は誰一人として居なかった。

「じゃあ決まり!凪はどうせ明智さんと組むんでしょ?乱世に轟く銃の名手の腕前、間近で見たいから私も混ぜて!てかぶっちゃけ明智さん敵にするの嫌過ぎ」
「おやおや、随分な言われようだ」
「じゃああと一人……三成くん、一緒に組む?」
「はい、是非御一緒させてください」

何だかんだで乗り気な武将達へ嬉しそうな声を上げ、彼方が早速凪と光秀の組み合わせに加わる。四人か五人という事で、凪が何となく目が合った三成を呼び込んだ。

/ 800ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp