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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後



「どうした、少々疲れたか?」

凪もまた、持参していた丈が長めの黒いパーカ―をまとい、胸半ばくらいまでジッパーを上げている。半袖から除く白い腕がほんのり赤みを帯びている様を目にし、光秀はさり気なく彼女の肩を寄せて立ち位置を交換し、凪が自らや建物の影によって、日陰になるよう計らいを見せる。

「まだ全然平気ですよ。皆、何なら食べられるかなって思って」
「ああ、食事の事か。俺は何でも構わないが、牛馬と鶏の肉を避ければ、皆も問題は無いだろう」
「あ、やっぱ牛と馬と鶏は駄目なんだ。そこらへんは文献とかで言われてる通りなのね」

光秀の気遣いに気付き、嬉しそうに面持ちを綻ばせた凪が手にしたお品書きを軽くひらひらと振った。テイクアウトの定番と言えばたこ焼きにお好み焼き、焼きそばに唐揚げ、フライドポテトなどが挙げられる。それ以外にもカレーライスや焼き鳥、牛串、イカ焼きに各種貝焼き等も取り扱いがあるようで、迷うところである。光秀の発言を耳にし、後ろに三成と共に並んでいた彼方が感心を寄せて呟いた。戦国時代と言えば猪や鹿、兎などが肉食における主食であり、今や一般的とされる牛馬や鶏は口にする習慣が無かった。

「じゃあ無難に食べられそうなのを選んだ方が良さそうだね。うーん……焼きそばとか?」
「いいんじゃない?これ、海鮮塩焼きそばだって」
「あ、美味しそう!あまり貝類は安土で出ないけど、多分癖がなければ大丈夫だよね」

お品書きの中で【オススメ!】と書かれている写真付きのそれを目にし、凪が頷いた。せっかく海に来たのだから、海っぽい料理をと思っていたのでちょうどいい。それ以外に、オススメ磯焼きセットを買う事に決めて、順番を待つ事にした。

「それにしても明智さん、ビーチバレー強すぎ」
「びーちばれーとは、先程の鞠遊びの事か」
「はい、秀吉さんからのボール、全部綺麗に打ち返してましたね」

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