• テキストサイズ

❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後



どちらかと言えば遊ぶ時間が少なくなる方向で苛ついていたらしい彼方へ、凪が今はここに居ない政宗を脳裏へ思い起こし、そっと苦笑した。けれども友人の言う通り、現代に滞在する期間は限られているのだ。せっかくならば皆と楽しい思い出を作りたい。という訳で凪も意を決して水着女子の壁へ挑もうと気合いを入れ直し、二人揃って足を踏み出しかけるも、その瞬間二人の行く手を阻むように三人の男達がやって来た。

「さっきそこの更衣室前に居た子達でしょ?女だけで居るより俺等と遊ばない?」
「うわ、かわいー!二人共カレシいるの?居たら女だけで海なんか来ないかー」
「え、なにこいつら。凄い話聞かなさそうなんだけど、邪魔」
「待ち合わせしてるから、結構です」

如何にもな男達が、値踏みするような眼差しを凪達へ向けて来る。顔から足元まで思い切り不躾に眺めて笑う男達に向かい、彼方がこめかみをひく付かせた。きっぱりすっぱり一刀両断する彼方の隣で、凪も丁重に断りを入れる。けれども肉食系男子もまた諦めが悪く、ずいと二人に距離を詰めて話しかけた。

「待ち合わせって男?まだ来てないなら、ちょっとだけでいいから遊ばね?」
「俺等凄い暇しててさー。それか連絡先交換してくれる?今度一緒に飯行こ。何ならもう一人そっちも友達呼んで、合コンとか」
「あの人達もかなりフラグ回収してるけど、私等もフラグ回収しちゃう系だったかー」
「どっちにしろ嫌なフラグだね…」
「違いないわ」

完全に男達の言葉を無視し、彼方が心底面倒臭そうに腕を組む。何処となく遠い目をした凪を連れて、三人のフラグナンパ男達を避けて通ろうとした瞬間、一人が凪の手首を掴もうと腕を伸ばし、すぐ様苦悶の声を上げた。

「いだだだだっ!!!?」
「薄汚れた手でその娘に触れるのは止めてもらおう」

男の声に驚いて二人が視線を巡らせた先には、凪へ触れようとした相手の手首を難なく捻り上げている光秀の姿があった。

「光秀さん…!」
「お、さすがパーフェクト彼氏。絶妙なタイミングだわ」

/ 800ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp