• テキストサイズ

❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第2章 武将と五百年後ノープランツアー 後



好きな男に可愛いと思われたいのは女子として当然の心理である。ひら、とした水着の胸元を軽く手で直しながら、髪型をどうするべきか悩んでいると、着替えを終えた彼方が隣へやって来た。

「へえ、似合うじゃん!私としてはもっと攻めていいくらいだけど」
「彼方知ってるでしょ、コンプレックスなの」
「言う程じゃないと思うけどねー……まあ考えは人それぞれか」

鏡に映り込んだ凪の姿を見て、彼方が笑う。せっかくならば大胆に、が信条の彼方にしてみれば、凪がこの水着を選んだ時から少々物足りなさを感じていたが、似合っているので良しとする。彼方へ鏡を譲るよう凪が退けると、友人が姿見の前へ立った。

彼方は白地にリーフ柄の入ったVネックタイプのビキニである。大判の緩やかなフリルが肩まで付いていて、元々強調されがちな胸元を更に目立たせていた。付け根からすらりとした様を惜しげも無く見せた足と、腹部、背中がセクシーで、肌色の面積の方が圧倒的に多い。

「彼方も似合うね!足長くていいなあ」
「そういう風に見えるの選んでるだけ。あんたもがっつり明智さんに見せてやればいいのに」
「うーん、足も自信めちゃくちゃある訳じゃないし……」
「ま、あんま見せ過ぎると怒られちゃうか。過保護だもんね、あの人」
「価値観の違いは既に光秀さんだけじゃなくて、皆に感じてる」
「だよね」

女性でも割と高身長の部類に入る彼方の、すらりとした足を羨ましそうに見ると、彼女は明るく笑って凪の太腿から下へ視線を向ける。胸程ではないが、かといって自信があるのかといえばあまり無い足へ凪が眉尻を下げると、光秀の性格を思い直して彼方が肩を竦めた。もっとも、反応しそうなのは光秀だけでは無さそうだけど、などと考えながら、彼方は下ろされたままである凪の髪を見て、荷物から白いシュシュを取り出す。

「これ貸してあげる。髪結わないと邪魔じゃない?」
「ありがと!持ってくるの忘れちゃったんだよね」
「急だったからねー」

/ 800ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp