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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第1章 武将と五百年後ノープランツアー 前



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───────五百年後に強制連行されて二日目。

戦国武将御一行+アルファ達は、滞在場所として借りているホテルのロビーに集合していた。先日、大好評を博した戦国ストリート殺陣アクトは瞬く間に噂が広がり、SNSで拡散された上、その正体を探ろうと、偶然行きあった人々が情報交換し合うなどという、予想の遥か斜め上を行く事態となった。どうせなら明日も公演しちゃえば、二回位。という彼方の実にフランクな提案により、元々現代での生活費を稼ぐ目的で殺陣をやった武将達は、一部の面子に嫌がられながらも第二回、及び第三回公演を行う事となったのである。ちなみに二回、三回共にすべて異なる内容が行われ、観客達は大いに湧いたが、一部の武将達は酷く疲弊していた。

そんなこんなで数多のギャラリーに惜しまれつつ、公演を終えた一同はホテルまで戻り、真夏の炎天下で殺陣を行った所為でかいた汗を流した後、すべての投げ銭の集計結果を聞くべく、この最上階のロビーに集まったという訳である。ちなみに集計は佐助が行った為、誰一人結果を知らない状態だ。初日のようにソファーへ分かれて座り、テーブルの上に置かれた飲み物を飲みながら緊張の瞬間を待つ。

「緊張しますね、特に今日は凄く沢山お客さん来てくれましたし…」
「初日よりも人は確かに多かったようだ。噂の回りが早いのは五百年後も同様のようだな」
「特にこの時代はSNSがありますから、そういう情報って案外すぐに広まっちゃうんですよ」

凪がアイスミルクティーが入ったグラスを片手に持ちながら、隣に座る光秀を見上げた。指先で黒いストローを摘み、からんと氷同士がぶつかり合う涼やかな音を立ててグラスの中身をかき混ぜる。ちなみに、初演から二回公演、三回公演共に彼方がしっかりスマホで動画を撮ってくれていた事もあり、凪のスマホには現代での武将達の活躍がばっちり収められている。やはり乱世で見返す為にも、携帯充電器の大量買いが必要だなと改めて思い直した彼女を余所に、自室で集計を終えた佐助がロビーに姿を現す。

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