• テキストサイズ

❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第1章 武将と五百年後ノープランツアー 前



幸いなのは、幸村が五円チョコを認識していない事だろう。そんな【真田幸村さんぱふぇ】は実に幸村らしい印象を抱かせる。ストロベリー系のムースとチョコムース、そしてチーズムースが綺麗にきっちりと層になり、上にはストリベリーソースが挟まれている。ソフトクリームにも鮮やかなソースがかけられ、手前には六文銭型のチョコが飾られていた。後方には十文字槍を象ったチョコと、六文銭の家紋が描かれた赤い紙製の軍旗が刺さっている。

「見事に武田の赤備えを苺で表現してるねー」
「見たままの印象って感じだな。でも軍旗が刺さっている仕様はなかなかにくい」
「お前らそれ、褒めてんのか貶してんのかどっちだ?」

歴史オタク二人の話を耳にし、些か幸村が呆れた様子で告げた。そんな中、ラストを飾る二品が運ばれて来て、注文の品がここに来てようやくすべて揃う事となる。

「お待たせ致しましたー!【織田信長さん】と【明智光秀さん】です。以上ですべてお揃いですね。伝票失礼します」

満を持してやってきた明智光秀さんパフェと織田信長さんパフェだが、先に注目を受けたのは、やはり彼方が注文した織田信長さんである。

「す、凄い……」
「さすがは天下布武を成し得る天下人であらせられる信長様だ。他のものとは明らかに貫禄が違うな」
「秀吉さんの欲目って言いたいところですけど、確かにそうかもしれませんね」
「ええ、信長様のご立派なお姿を再現されているような出で立ちです」

驚きを露わにした凪が小さく呟いた。秀吉から手放しに称賛され、家康の些か驚いた様を傍目に、三成にも天使の笑顔で純粋な賛辞を送られる。そんな【織田信長さんぱふぇ】は、大人な雰囲気漂うチョコレートパフェであった。ガトーショコラと生クリーム、ナッツ系が層となり、上にはバニラ味のソフトクリームが乗っている。白いソフトクリームにデコレーションされたチョコの細やかなラインがお洒落であり、そこには色とりどりの金平糖が星のように散らされていた。

/ 772ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp