第115章 高2の夏祭り
3人は小さい網を持つ。この亀すくいは金魚すくいで使う『ぽい』ではなく、とても珍しいのだが小さめの網で亀をひとすくいするタイプの亀すくいなのである。
そしてそれぞれ1回ずつ亀をすくっていく。結果は涼子が8匹、クグラが6匹、カンナギが7匹で涼子の勝利であった。
「やったー!!涼子様の勝利!!カキ氷奢ってね〜?」
クグラ「くそー!!負けた!!」
カンナギ「んだよ!勝ったと思ったのに!!」
「ふふ〜ん!実力の差よ!」
ヨルナミ「あの……そんなに亀取ってどうするんです?」
「…………どうしようね?」
カンナギ「俺の家は水槽無いんだよなぁ…。」
ヨルナミ「まったく…無計画な。」
クグラ「よし!俺は使ってないゴミ箱があるからそれにとりあえず水入れておく!」
ヨルナミ「なんかそれだと可哀想な気が…」
クグラ「ゴミ箱ったって新品未使用だし、明日水槽買うからいいんだ!」
「じゃぁ、私のも入れといて〜?」
カンナギ「あっ!俺のも頼む。」
クグラ「そんなに大量に入らねぇよ!」
「仕方ない…そこの公園の池にでも放ちますか。」
ヨルナミ「ろくに面倒見ずに放ったらかすならその方が良さそうですよね。」
クグラ「俺はちゃんと育てる!」
カンナギ「お前にできんのか?」
「そうよ!私らは昔、金魚の世話をろくにしないでエト兄ちゃんに押し付けた前科があるのよ?無理だって!」
クグラ「いや!俺はやる!亀吉、亀左衛門、亀之助、亀八、亀太郎、亀男は俺が面倒見る!」
ヨルナミ「…わざわざ名前を付けたのですか。」
カンナギ「つーか、全部男の名前だけどその亀、雄なのか?」
「何も考えてないんでしょ。名前も単純だし。」
クグラ「別にいいだろ!俺はコイツらの面倒を見ると心に誓ったんだ!」
こうしてクグラだけは亀を持ち帰ることにして涼子とカンナギは池に放った。とてつもなくお金の無駄であった。