第110章 夏風邪
そしてしばらく眠ると昼休みの時間になり、涼子とクグラが部屋に入って来た。
「カンナギ〜??」
クグラ「邪魔するぜ〜!!」
カンナギ「…………ん?お前らどうやって入った?」
「鍵使って開けたに決まってんじゃん!」
カンナギ「は!?なんで鍵なんか持ってんだ!?」
クグラ「あ?だってお前、昨日俺の家来て鞄ごと忘れてったろ?中見たら鍵あったからそれ使って開けた!」
カンナギ「…………スマホと財布はポケットに入れてたが…そういや昨日は手ぶらだったかもしれん…。」
「ははっ!間抜けよね〜!!」
ちなみに昨日帰宅すると既に父が帰っていて鍵を使わずに入る事が出来たので鞄の存在をすっかり忘れていたのである。
カンナギ「ところでお前ら…何しに来たんだ?まさか…弱ってる俺をおちょくりに!?」
「んな事しないわよ!………お見舞いに決まってんじゃん!」
クグラ「そうそう!カンナギが本当に風邪なのか興味本位で見に来たわけじゃねぇよ?」
「ちょっと!あんた!余計な事言わなくていいから!!」
カンナギ「…なるほど…そういうわけか。まぁ見ての通り本当に風邪ひいて熱があるん……!?」
突然、涼子がカンナギの額に手を当てて熱があるか確認した。
「…あぁ、確かに熱があるわね。」
カンナギ「(びっくりした…。)だからあるって言ってるだろうが。」
クグラ「ところで何か飯食ったのか??」
カンナギ「食欲ねぇし…朝飯にそこにあるパン半分食べただけだ。」
「ったく!もぅちょっと食べた方がいいわよ?吐き気とかはないんでしょ?」
カンナギ「吐き気はない。けど…怠い…。」
「もぅ…今からお粥作ってやるから!少しは何か食べなさい!ちょっとキッチン借りるからね!」
そう言うと涼子は台所へ行く。