第99章 父の日
そして帰宅すると父がリビングのソファーで酒を飲みながら落ち込んでいた。
「…クグラのお父さん?……父の日のお祝いにケン◯ッキー買ってきたんだけど…」
父「………どうせ、ケン◯ッキーの店に貼ってあったポスター見て思い出したからとりあえず買ってきたんだろ?」
非常にいじけているのである。
クグラ「んだよ!いいだろ?買ってきてやったんだから有り難く食えって!」
父「いいも〜ん!父ちゃんヤケ酒飲むもん!」
クグラ「いつも飲みまくってるだろうが!いい歳していじけんなよ!」
父「だって!お前ら、母の日は前もってプレゼント用意してたくせに父の日は存在すら忘れてたろうが!酷いじゃないか……父ちゃんが働いてるから我が家は成り立ってるのに……大黒柱なのにー!!」
酒を飲みながら半泣きで嘆く。
「ごめんって……。じゃぁ、クグラのお父さんがしてほしい事何かするから!何してほしい??」
父「……………涼子ちゃんに俺の事をパパって呼んでほしい。」
「………えっ?絶対ヤダ!」
父「してほしい事してくれるって言っただろうがー!!」
「だって私、そういう柄じゃないし!!自分の父親だって親父呼びなのに!!」
父「ん?でも2歳くらいの頃『パパ』って自分のお父さんの事呼んでたじゃないか?」
「そんな大昔の事覚えてないし!何か他の事にしてよ!」
父「ヤダ!俺、涼子ちゃんにパパって呼んでもらえないならもっと酒飲んじゃうもんねー!」
クグラ「死んでやるとは言わねぇんだな。」
父「バカもん!んな事で死んでたまるか!命は粗末にしてはいけねぇ!」
クグラ「あぁ…そうかい。涼子?嫌だろうけど今日だけは親父の言う事聞いてやってくれよ?」
「えー!!」
クグラ「だって、これ以上酒飲んで酔っ払ったら後々大惨事になる可能性あるぜ?な?ちょっとだけだからさ!」
「……仕方ないわね。」
そして涼子は覚悟を決めた。