第66章 エイプリルフール
殴られるかバカにされると思っていたのだが涼子は涙目になっていた。
「好きにすればいいでしょ!私には関係ないんだなら!バカ!ウンコたれ!あんたなんか犬の糞踏んづけて笑い者になればいいわ!」
そう言うとドアを閉めてしまった。
クグラ「…嘘っ!?涼子が涙目になってた!?え!?嘘だろ!?つーか、なんで犬の糞??」
ヨルナミ「涼子さん……。クグラ、今回の嘘はいくらなんでも悪かったのでは?」
カンナギ「鼻で笑うどころかスゲー、ショック受けてたな。」
その頃、涼子は涙目のままキクリとヤタカが待つリビングへ駆け込む。
キクリ「あっ、涼子!みんな来……えっ!?どうしたの!?」
ヤタカ「何かあったのかい??」
「……なんでもない。」
ヤタカ「なんでもない事はないだろ?君が泣くなんて…」
「別に泣いてないし!!」
キクリ「…涼子?クグラ達に何か酷い事言われたの?」
「…………クグラのバカが彼女できたって。」
ヤタカ「え?だって君達、100万貯まったら結婚するって約束したんだろ?…まさかクグラが心変わりした!?」
キクリ「嘘……クグラを知る人はずっと涼子の家来だの腰巾着だの言うくらい涼子にベッタリだったのに…。」
「……もー!!なんかムカつく!!何が100万絶対貯めて結婚だ!!自分から言ってきたくせに!!アイツ……これで私にびびって『冗談でした〜!』とか言ってきても絶対許さない!!」
ヤタカ「……………ん?冗談??…そういえば今日は4月1日だよね??」
キクリ「あっ!本当だわ!エイプリルフール!」
ヤタカ「……もしかして本当に冗談だったんじゃないかい??」
「…………えっ!?…まさかアイツ!!エイプリルフールだからって私を騙したわね!!」
涼子は怒り狂い外に飛び出す。そしてまさか涼子が泣くとは思わずどうしようかと玄関前でウダウダ悩んでいたクグラに飛び蹴りをした。
「クグラー!!」
クグラ「えっ!?…ぐあっ!!」
「あんた!私を騙したわね!!」
クグラ「あっ…その…エイプリルフールだったから…」
「エイプリルフールだろうがゴールデンウィークだろうが…この私を騙そうなんて100万年早いわー!!」
クグラ「うぎゃー!!助けてー!!」
そして次々とプロレス技をかけていく。