第63章 二人の誕生日
クグラ「涼子!卒業したら俺と結婚してくれ!」
そう言いながら箱を開けた。まぁこのパターンだと中身は当たり前だが指輪である。
「あんた…これどうしたのよ?」
クグラ「今日渡す為にバイトして金貯めて買ったんだ!」
父「一応聞いておくがリッチなオバヤン相手に如何わしい事したわけじゃないよな?」
クグラ「んな事するかよ!つーか、父ちゃんにバイトする時に保護者の承諾書書いてもらっただろうが!」
父「……全然記憶にないな。」
クグラ「まぁ酔っ払ってた時に書いたもんな。」
母「まったくお父さんは!酔ってロクに読まずにサインするなんて……。」
エト「そんな事より!クグラ!正気か!?」
先ほどまで硬直していたエトが復活して騒ぎ出す。
クグラ「なんで??」
エト「涼子には昔エビフライ取られたり、かくれんぼしてて置き去りにされたり、大切にしてたプリンちゃんを隠されたりして泣かされてただろ!?」
ちなみにプリンちゃんとは昔クグラが大切にしていたクマのぬいぐるみでボロボロにはなっているがまだ部屋に居るのである。ついでに言うと名前の由来は名前を決める時に食べたい食べ物がプリンだったからである。
クグラ「兄さんよく覚えてるな…。つーか、それだいぶ昔の話だし!もぅ流石に泣かされねぇし!俺、本気なんだ!!」
エト「……本当に涼子でいいのか?」
クグラ「俺は涼子がいいんだ!」
エト「そこまで言うなら仕方ない……涼子!クグラを幸せにするんだぞ!」
「おいコラ!ちょっと待て!!」
エト「何がだ?」
「なんで了承するの前提なわけ!?」
エト「は!?クグラのプロポーズを断る気か!?この前までオムツをしていた可愛いクグラが一生懸命バイトしてお前の為に指輪を買ったんだぞ!?受け入れるのが人間として当たり前だろうが!!」
「うわっ!またモンブラになってやんの…。」
ちなみにモンブラとはモンスターペアレントの兄版でモンスターブラザーの略である。