第59章 目指せ！オヒカ先生！

そしてクグラはオヒカに弟子入りしようとしていた。
クグラ「オヒカ先生ー！！」
オヒカ「ん？どうした？？」
クグラ「このおでん缶あげるから俺を弟子にしてください！！」
オヒカ「へ？？いったい何の弟子？？それとおでんは要らないかな。」
クグラ「先生は大人のいい男の師匠なんだ！だから俺は弟子になる！」
オヒカ「よく分からないが…とりあえず向こうで話を聞こうか？」
空いている教室でオヒカはクグラの話を聞くことにした。
オヒカ「で、いったいどうしたんだ？？」
クグラ「俺、オヒカ先生みたいにいい男になりてぇんだ！」
オヒカ「…俺はそんなにいい男かなぁ？普通じゃないか？」
クグラ「涼子がいい男だって言ってたからな！」
オヒカ「なるほど…クグラは涼子が好きなわけか。」
クグラ「えっ！？なんで分かったんだ！？超能力者！？」
オヒカ「いや、誰でも分かるから。涼子が俺を褒めたから俺みたいになろうとしてるんだろ？」
クグラ「うん！涼子はオヒカ先生みたいな人と結婚して子供二人産んでパート主婦になるのが夢なんだって！」
オヒカ「随分と現実的というか…わりと普通の夢なんだな。涼子の事だからもっと奇抜な夢かと思ったが…。」
クグラ「まぁ、涼子の夢が平凡なのは置いといて！俺を先生の弟子にしてくれ！」
クグラは珍しく頭を下げた。この男が頭を下げるのはとてもレアな事なのである。
オヒカ「クグラは…今のままでいいんじゃないか？」
クグラ「えっ？」
オヒカ「俺みたいな人と結婚っていうのはあくまで理想だろ？別に俺みたいにならなくてもいいと思うよ？クグラと一緒に居る涼子が一番生き生きとしてると思うし。」
クグラ「本当に！？」
オヒカ「あぁ。だから弟子入りなんて考えないで涼子のところに戻りなさい。」
クグラ「はい！先生、失礼しました！！」
オヒカ「ふぅ…。単純で助かった。弟子入りなんてされても教えられるような事ないしな。」