第8章 ジョゼ寺院
ジョゼ街道を抜けて、幻光河とジョゼ寺院への分かれ道までやってきた。
そこでティーダが皆に質問する。
「あのさ、ザナルカンドまでどれくらい?」
「まだまだ、だな」
「幻光河を下ってグアド族のグアドサラム。そのあとは、雷平原を越えてマカラーニャの寺院……」
「うひゃ~……」
それに答えたワッカに続いてこれからの予定をルールーが少し説明する。
その内容にティーダが情けない声を上げたかと思えば、ユウナが一同の先頭に立ちくるりと振り返ってティーダに笑顔で告げる。
「ふふん♪その前に、ジョゼの寺院でお祈りでーす」
「一気にバビュっとザナルカンドへ!……それじゃダメなの?」
「うん。なるべく、たくさんの寺院をめぐって、祈り子様にご挨拶しなくちゃ」
おどけて言うティーダに少し悲しげな表情で返すユウナ。
なぜその笑顔が悲しげなのか、彼はまだ知らない。
「それが召喚士の修行だ。究極召喚に耐えられるように、心と体を鍛えるのさ」
「大変だな、ユウナ」
「みんなといっしょだから、だいじょーぶ」
ティーダの心からの言葉に少しだけ嬉しそうに微笑むユウナは、年相応の女の子に見えて、とても可愛らしかった。