第7章 ミヘン・セッション
「…あなたは優しいのね。」
「そういうことでは…!」
「まだわかってないのか!」ともう一回怒鳴ろうとするアーロンの言葉を遮り、私は言葉を続ける。
「でもね、私もう目の前で人が死ぬところなんて、見たくなかったの」
「っっ…!!」
私のその言葉にアーロンは次の言葉に詰まっているようだ。
「…だから許して?心配かけたことは謝るわ、ごめんなさい。」
「…次からは気をつけるんだぞ」
そういうと体を支えながら立たせてくれる。
するとティーダやユウナが心配そうな顔でこちらに近づいてきて声をかけてくれた。
「サーシャ大丈夫っすか?…アーロンは怒ると怖いからなあ」
「目が覚めてよかったです。回復させますね」
ティーダの一言にアーロンが何か言いたそうだったけど口は開かなかった。
私はユウナの厚意に甘えて、せめて自力で歩けるようになるまで回復してもらうことにした。
「ありがとうねユウナ。異界送りで疲れているのに申し訳ないわ…」
「いいんです!…今の私はそれしか出来ないですから」
そう呟くユウナ。彼女ははまだ召喚士になったばかりだから、正直に言えば召喚獣の強さもまだそんなにだし、魔法も私の方が断然上だ。
_____だけど
「ユウナ。あなたがそれを気にすることはないのよ。…誰だって最初は初心者だもの。これから旅を続けていく中であなたはもっと強くなれる。私が保証するわ」
そう伝えるとユウナは一瞬泣きそうな顔になったが、すぐに笑顔になってありがとうございます。とお礼を言った。
「…そろそろジョゼ街道に進むぞ」
「はい!ガードの皆さん、よろしくお願いします!」