第8章 ジョゼ寺院
「あれ、ジョゼの寺院?」
ティーダがそう呟くのと同時に寺院がゴゴゴ…!と揺れ始める。
そして雷鳴や轟音と共に毒キノコ岩が開いた。
ティーダは「すげぇ……」と驚いた声をあげている。
「あの『毒キノコ岩』はね、召喚士が祈り子様と対面した時だけ開くの」
ルールーが何も知らないティーダに説明してくれる。
もう説明係も板についたものだ。
「誰か他の召喚士が来てるってことだな」
「どんな人かな」
ワッカの言葉に以前に会ったドナが頭をよぎる。
当たって欲しくない予感ではあったが、それは口をついて出てしまった。
「ドナだったりして……」
「負けたくないなぁ」
「うっす!行くッス!」
ティーダの声を筆頭に寺院の扉の前まで来ると、寺院の真横に見知った姿を見つけた。
「ルッツ!ガッタ!無事だったのね!」
久しぶりの再会に笑顔が返ってくる。
「サーシャさんのお守りのおかげです…。本当に感謝しかありません」
「いいのよ。ルッツとガッタが無事ならそれでいいの」
自分のおかげで救えた命がここにもあったのだと思うと、『お守りスフィア』を作った甲斐があったものだ。
話を聞くとミヘン・セッションでのダメージが全く残っていない訳ではない彼らはビサイドに戻ると言う。
ワッカもそうしたほうがいいと助言し、私達は彼らを見送った後寺院の扉を開いた。