第7章 ミヘン・セッション
気が付いたとき、一番最初に目に映ったのはアーロンだった。
その表情は安堵と怒りが入り混じったような、そんな表情で。
「目が覚めたか…!」
「アーロン…シンは…みんなは…?」
「…シンは去った。みんなも無事だ。」
身体を起してもらってよく周りを見渡すと、ユウナが異界送りをしている最中だった。
…いったいこの作戦でどれだけの人が亡くなったのか。
それを想像するだけで胸が締め付けられるように痛かった。
「そういえば砲撃台の下にいた討伐隊は!?」
「お前のおかげで避難でき、無事だったようだ」
アーロンのその言葉に胸がじん…と熱くなる。
自分のしたことは無駄ではなかったんだ…。
あのとき助けに行ってよかったなと安堵する。
だけどあの後攻撃されていたら自分はこの場にいないだろうとも思う。
こんなんじゃダメだな…。と自分反省会を開いていると、その様子を見たアーロンがワナワナと震え始めたので何かと思い彼の顔を見る。
「馬鹿者!」
突然アーロンの口から怒声が飛び出し、辺りに響き渡った。
それに近くにいたティーダやユウナが驚いて固まってしまっていた。
もちろん自分だってびっくりだ。
「アーロン…?」
「限界を超えてまで自分を犠牲にするなと言っただろう!」
そのアーロンの声は初め怒っているように聞こえたけれど、表情をみればそれは自己嫌悪に満ちたもので。
その顔は昔アーロンがブラスカさんに見せていた表情に瓜二つだった。