第7章 ミヘン・セッション
ガッタに指示を出して彼が外へと出て行くのを見届けると、先ほどまでの笑顔に戻ってアーロンに向き直り話を再開させる。
「なぁアーロン、この10年何をしていた?」
「作戦が始まる。そんな話しはいいだろう」
探るようなキノックにアーロンは冷たく返すが、キノックはただ嘲笑を浮かべただけだった。
「どうせ失敗する作戦だ。少しでも長く夢を見させてやるさ」
「ひっでぇ!」
キノックの嘲笑にティーダが一歩前に出るがそれをアーロンが目で制す。
するとキノックの後ろに控えていたシーモアが声を掛ける。
「キノック老師」
「ああ、始めてくれ」
キノック老師はこちらに背を向けてシーモアのほうへ向かっていってしまった。
「あいつが老師とはな……」
感慨深そうにつぶやいたアーロンの声はキノック老師の耳にも入ったらしく、再度こちらにやってくる。
「聞こえたぞ、アーロン。この10年、いろいろあった。…お前はどこで何をしていた?」
「友との約束を果たしていた。……まだ終わっていない」
そう答えてその場を去ろうとするアーロンにキノック老師は畳み掛けるように質問をする。
「一つ教えてくれ。…おまえはザナルカンドを見たのか?」
その質問にアーロンは答えず、そのままその場を去っていってしまった。