第7章 ミヘン・セッション
準備を整えて作戦司令部に入ると恰幅のいい男性がアーロンに近付いてきた。
「シーモアから聞いたが本当に会えるとは思わなんだ」
そのままアーロンに抱き付いた。
やはりここはつながっていたらしい。アーロンは元々エボンの僧官だから予想出来ていたが…なおさら顔を見せられない状況にフードを改めて深くかぶり直す。
「久しいなアーロン!10年ぶりか?」
キノック老師はアーロンとの再会を喜んでいるようだった。
アーロンの目にも懐かしむ色が多少見えるので、嫌というわけではなさそうだ。
「あの人…だれ?」
「エボン四老師のひとり、ウェン=キノック老師よ。エボンの僧兵の指揮と討伐隊の監督が担当ね」
キノック老師についてまったく知らないティーダが私に聞いてきたが、私は声を出したくなかったので代わりにルール―が答えてくれた。
「作戦準備、すべて完了との報告がありました」
ルールーの耳打ちが終わると同時にガッタが作戦司令部に駆け込んできて、進行状況を伝えた。
それに先ほどの友好的な態度は消えうせて、キノックの顔は真面目な表情に変わる。
「わかった。下がれ」
「はっ!」