第6章 キノコ岩街道
「…あのさー『お守りスフィア』ってなんすか?」
『お守りスフィア』について何も知らないティーダが質問してきた。反応示さないがアーロンも知らないはずだ。私は2人に向けて説明するため、もう1つ持っている『お守りスフィア』を懐から出し、手に出して見せた。
「簡単に言うとね、これを持っていると自然回復が出来るの」
「???」
簡単に説明しすぎたのか、ティーダはいまいち理解していないようだ。
「つまりね、リレイズの効果があるのよ。」
「り、りれいず?」
リレイズの意味も知らなかったティーダはこっそりユウナに聞いているようだ。
それにユウナはこそっと彼に耳打ちをし、教えてあげている。
「なるほど。つまりそれがあれば即死でも生き返られるって事っすね!
…ってめっちゃすごくないっすか!?」
意味が分かってこのスフィアの効果に気づいたティーダは目の色を変えて興奮している。
「ありがとう。だけどいろいろ条件付きなのよね」
「例えば?」
「これはね、私の魔力と想いを込めて作っているの。だから量産できないし、何より私と親しい間柄じゃないとその効果は出ないの」
「なるほど…でもすごいっすね」
ティーダからその言葉は素直に嬉しかった。
本来なら誰にでもリレイズの効果が出て量産が可能になれば理想の『お守りスフィア』になっていたのだが、そこは難しいところだ。
最後まで完成すれば『シン』の被害少しでも減らせるのではないかと思い、長い年月をかけてここまで形にしてきた。
…結局はここまでしかできなかったのだけれど
こんな中地半端なものでも救える命があるならと一応完成品を持ってきてよかったなと思う。
「そうですよサーシャさん。…私も修行中にたくさん助けてもらいましたし」
「そうね~?ユウナは体力がなくてね、これがなかったら何回倒れていたことか」
「む!サーシャさん意地悪っすね?」
ティーダの口調を真似したユウナがなんだかとても可愛らしくて、サーシャはふふふっと声を上げて笑った。