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【FF10】緋色のそばに

第6章 キノコ岩街道


クラスコの言葉を受けてちらとアーロンを見遣ったユウナに、アーロンは頷きを返してやる。
私たちは作戦司令部へと足を向ける事となった。




「司令部はあっちなのでそっちの道からどうぞ。こっちの方は作戦準備でごたついてるんで、すんませんです」




クラスコのわかりにくい説明を受けてしばらく横道へと進んでいくと、ガッタとルッツが口論しているところに出くわした。




「何で先輩だけですか! オレも前線で戦わせてくださいよ!」


「わかっているが、命令だ。さっさと配置につけ」




言い合っている二人に声をかけられず、ただ見守るしかなかったのだが、あくまで冷静な対応のルッツにガッタが俯き走り去ってしまった。




「通行許可が出たのか」


私達に気付いたルッツがこちらに来る。


「ガッタかわいそうだったな」


「戦わずにすんで運がいいじゃねぇか。大体、何で戦うんだ?主役はアルベド族の機械だろ」


私は機械を主役にしているこの作戦で人間を使う理由は一つしか思い浮かばなかった。


「…機械の準備が整うまでの時間稼ぎよ」


「その通りです。サーシャさんは相変わらず感がいいんですね」


「けっ!け――――っ!」




その答えに子供じみた反応をみせるワッカ。
アルベド族のお膳立てのような作戦に不満が隠せないのだろう。
私はワッカの様子に笑っているルッツに、低い声で問いただすように話しかける。



「それでいいの、ルッツ」


「何がですか」


「それは本当にあなたがやりたいことなの?」
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