第6章 キノコ岩街道
「確かに……そうですね。
しかし……討伐隊もアルベド族もスピラの平和を真剣に願っています。彼らの純粋な願いが一つになって、ミヘン・セッションが実現するのです。
エボンの教えに反するといえど彼らの志は純粋です。エボンの老師としてではなく、等しくスピラに生きる者として……シーモア=グアド個人として、私は声援を惜しまないつもりです」
どちらも等しくスピラに生きる者であり、皆平和を願う気持ちは同じ。
それなのに差別をするのはおかしい。
その考え方自体は反対しない。
私だって同じようなことを思っているから。
だけど…彼の本心は_____
私の胸中も関係なく彼らの話は続いている。
「でも、アルベド族の機械はマズいっすよ」
「見なかったことにしましょう」
老師らしからぬその発言に全員が目を丸くした。
「老師様がそんなこと言ったら皆に示しがつかないっすよ!」
「では聞かなかったことに」
「マジっすかー!」
ワッカが叫ぶと、討伐隊の兵士がシーモアを呼びに来てそのままこの場を去っていった。
自分達も先を急ごうと足を進め始めたところ、クラスコがこちらに走り寄ってきた。
「ユウナ様とガードさんたちですね?」
「はい」
「作戦司令部へどうぞ。シーモア老師がユウナ様もぜひ、とのことです」
「……はい」