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【FF10】緋色のそばに

第2章 ビサイド島


「サーシャさん!」



大きな声で私の名前を呼ぶ彼女こそ、先ほどから口にしているユウナである。

彼女は私の姿を見つけたからか、こちらに駆け寄ってきた。


「おかえりなさいユウナ!無事に終えられたみたいね」


「はい!私……召喚士になれました!」


「おめでとう…ユウナ」


そういいながら抱き着いてくるユウナを強く抱きしめ返す。
すると瞬く間にビサイド中の人達がユウナを囲んだ。

無事召喚士になれたからという理由もあるのだろうが、ユウナだからこそ、こんなにも皆が祝福してくれるのだろう。


「ほら、みんな、あなたが召喚しているところを見たいんじゃない?」


「そうだぞユウナ。みんなの前で披露してくれ!」


ワッカがそう叫ぶとユウナは返事をし、ヴァルファーレを召喚してみせた。


「鮮やか…。きっとブラスカさんも陰で喜んでるわね…」


そう一言呟くと、目から涙がこぼれるのを感じた。

____これは嬉し泣き

10年間娘同様に見守ってきた子の成長が素直に嬉しかった。



そういえば例の子はどこにいるのかしら?

まあでも今はユウナを休ませるのが最優先かと思い、みんなに囲まれている彼女に声をかける。


「ユウナ、夜まで少し休んだ方がいいわ。夜は夜でお祭り騒ぎだと思うから、体がもたないわよ?」


「そうですよね…そうします」


私はユウナを休ませるため、ルール―に預けた。


ユウナが召喚士になったということは
これから寺院巡りのため旅に出るということを意味する。


ここにはもう一緒には戻って来られないかもしれない。
なら今のうちに準備をしておこうと思い、私はその場を後にした。
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