第2章 ビサイド島
「わかった」
そう一言いうとキマリは寺院がある方に向かいだした。
いま寺院ではユウナが絶賛お祈り中だ。
召喚士になるために、祈り子様に祈りをささげている。
まあすでに1日以上経過しているので、さすがに心配になってきていた。
ふつうだったらそんなにかからないはず…
「私も向かった方がいいかしら…。でもなー、島に何かあったら対処できる人が全員寺院に行ったら守る人いなくなるわよね?」
そう呟きながらもとりあえず村に向かうことにする。
もしかしたら、さっきキマリが言ってたブリッツできるやつにも会えるかもしれないし??
私は足早にビサイド村へと向かった。
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無事に村までつくと村人のおじいちゃんに話しかけられた。
「おお…サーシャ、どこに行ってたんじゃ?」
「今日もこの島に危険が近づいていないかパトロールしてたんですよー」
「そうか、ここにきてから毎日ありがとうのぉ。…ってそれよりさっきシンの毒気にやられた者が来たんじゃ!お祓いをしに寺院の方へ向かったわい」
おじいちゃんの話を聞いて、さっきのブリッツできるやつのことかなと勘繰る。
しかもシンの毒気にやられたなんて…。
その子も可哀そうね。
普通の毒だったらすぐに治してあげられるのだけど。
「あらそうなの…。ちなみにユウナはまだ?」
「戻ってきてないわい。さっきワッカが心配して祈り子様のところにむかったぞ」
どうやらキマリだけではなく、ワッカまで向かったようだった。
心配性なお兄ちゃんは妹の初仕事が不安で仕方ないらしい。
それならば私はここでユウナの帰りを待っている方がよさそうだと思い返し、おじいちゃんにお礼を伝えた。
「教えて頂いてありがとうございます」
そう話していると寺院の方が騒ぎ始めた。
「お!話していると終わったみたいじゃぞ!」
寺院の入口の方をみると、そこには疲れた様子だが精一杯の笑顔でこちらに手をふる女の子がいた。