• テキストサイズ

【FF10】緋色のそばに

第5章 ミヘン街道


ルカでアニマを召喚して活躍したシーモアが供を連れて現れたのだ。
私はさりげなくキマリの後ろへと隠れる。



「は、はいっ!」


「どうしましたか? お困りのようですが」


「実は……」


シーモアの優しい言葉に、ユウナが検問を振り返る。
その視線で何があったのか察したシーモアが軽く頷いた。



「なるほど」



そう言い残して一同から離れてシーモアは検問へと向かう。
皆が何をするのかと見守る中、門衛がシーモアに近付いてくる。



「お待ちしておりました。作戦司令部にご案内いたします!」


「その前に、頼みがある」



敬礼をしてシーモアを迎え入れようとした門衛の案内を止めて、笑顔の仮面を貼り付けたままシーモアが言葉を続ける。



「はっ! なんなりと!」


「召喚士ユウナ殿とガードたちも、通してほしいのだが」


「お言葉ですが、シーモア様……」


「君に迷惑はかけない。責任はすべて私が取る」




言いよどむ門衛の言葉をさえぎるように言い放ったシーモアに、少々考えるそぶりをして頷いた兵士。


「かしこまりました。通行を許可いたします」



さすが老師様。ここは彼に感謝せねばならないと思いながらも、直接お礼を言うことはなかった。



「さあどうぞ」


「あ……ありがとうございます」




こんな簡単にいくとは思っていなかったのか、ユウナは呆気に取られたようにお礼を言った。
シーモア老師はそのままその場を後にした。



「ユウナ行くわよ」


「う、うん!」



ルールーに促され先へと進む。
すると、ティーダが不機嫌そうな声で吐き捨てた。



「えっらそうなヤツ」


「偉そうじゃなくて、ほんとに偉いんだよ」



エボンを信仰しているワッカが誇らしそうにティーダを窘める。
見た感じティーダは彼のことをあまりよく思っていないのだろう。
まあそれはきっとそこのカタブツも同じなのだろうけど。
/ 82ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp