第5章 ミヘン街道
ミヘン街道の終着点までチョコボで進むと検問をはっているらしく、先に来ていた召喚士ドナとガードのバルテロが隊員に食ってかかっているところだった。
「何度も言わせないでちょうだい。私はね、召喚士なのよ!」
「申し訳ありませんが! どうかご理解ください!」
「召喚士の旅を邪魔するなんて、なに考えてるわけ?」
「申し訳ありませんが! 例外はありません!」
「話にならないわね!」
ドナは機械的な返答しかしない隊員に説得するのを諦めたらしく、こちらに振り向いて言い捨てる。
「あら、あなたたち……。見ての通り、召喚士でも通行止めよ。結局は召喚士に頼ることになるのに、全然わかってないんだから。…まあ、いい機会だから戻って休むことにするわ。行きましょ、バルテロ」
そう忠告して去って行った二人組みの背を見送って、近くに居たルールーに話しかける。
「召喚士でさえも通れないのね…どうしようかしら」
「例のミヘン・セッションのせいですね…」
「一回物は試しで聞いてみようかしら」
運頼みで門衛にここを通りたい旨を伝えたのだが、やはり先ほどのドナたち同様ダメだと言われたため、検問から離れてどうしようかと皆で顔を合わせて話し合う。
すると後ろから聞き覚えがある声の主から話しかけられる。
「またお会いできましたね、ユウナ殿」