第5章 ミヘン街道
そのままミヘン街道を進んでいくと、中間地点にある旅行公司が見えてくる。
最初はアルベド族の店だからと入らないと反対していたワッカも、「俺が疲れたんだ」と言うアーロンには逆らえず今日はここで休むことになった。
みんながそれぞれ各自の部屋に入り、私も自分の部屋で体を休めているとコンコンと扉を叩く音がしたので返事をし、振り返るとそこにはアーロンがいた。
「サーシャ」
「へ?な、なによ急に」
「入ってもいいか?」
「ど、ぞうぞ~」
するとアーロンはずかずか中に入ってくる。
…女の子の部屋に入ってくる態度ではないだろう
そう心の中で突っ込む。
そんなこともつゆ知らずアーロンは近くにある椅子に座り、こちらを見上げる。
「どうしたのよ」
「…また無理をしているんじゃないかと思ってな」
アーロンはどうやら私を心配してくれていたらしかった。
彼が私を見る表情がなんとも優しいもので思わず頬が赤くなってしまう。